01 黒神ビュースポット(昭和溶岩地帯展望台)

昭和火口の迫力に驚き

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神奈川から桜島へ来て数年が経った。生活には慣れてきたが、毎日が驚きの連続であった。
島内あちこちへ行くたびに、桜島の魅力と奥深さをいつも感じる。
本連載では、ヨソモノの目を通して、一緒に桜島を再発見していただければと思う。
お付き合いよろしくお願いします。

本日紹介するのは、ボクがもっとも好きな場所のひとつだ。
注意しなければ通り過ぎてしまいそうなくらい控えめな展望台は、昭和火口を望む一番のスポットだろう。

ここからの爆発は見飽きることがない。
火口から噴煙が上がると同時に、噴石が勢いよく飛び出す。
地面に落ちた噴石は、積もっていた火山灰をまきあげながら火口周辺を白く染める。
噴煙はどんどん高度を上げる。
数秒遅れて爆発音が届く。体の芯を揺さぶる音だ。
圧倒的な自然の力を前に、湧き出す高揚感と恐怖心。上昇する心拍数。

...と、ベタではあるが、県外出身者はやはり噴火に驚かずにはいられない。
噴火を繰り返す桜島の日常は、ここにしかない風景だ。(2015年の爆発的噴火は、5/31時点で600回を超えた。たぶんご飯を食べた回数より多い。なんという日常っぷり)。

あたりは1946年の昭和噴火で流出した昭和溶岩原で、「地獄河原」とも呼ばれている。
展望台の下は退避壕、砂防施設である黒神川は歩いてすぐ。
火山・桜島の魅力がぎゅーっと詰まった、実はぜいたくな展望台だ。

NPO法人桜島ミュージアム 大村瑛
『南日本新聞』 2012年6月5日「桜島ルーキー日記(昭和溶岩地帯展望台)」 ※筆者本人により一部加筆修正

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