知りたい(桜島について)
昭和火口
2015/06/21
桜島には、活発な噴火口がふたつあります。昭和火口と南岳山頂火口です。
2009年以来、ほとんどの噴火は「昭和火口」で発生しています。
同火口は、1946年の昭和噴火で溶岩を流し、その後しばらく活動を休止していました。
2006年に58年ぶりに噴火。2009年より噴火回数が増加し、現在に至ります。
2006年 活動再開直後の昭和火口
2010年 活発化して広がる昭和火口
2013年 噴煙を上げる昭和火口
同火口は、南岳の東斜面8合目付近に位置しています。
山頂ではなく山腹にあるため、麓の道路や展望スポットなどから簡単に眺めることができます。
爆発的噴火が起これば、噴石が飛び出し、モクモクと噴煙が上がり、大きな爆発音を感じることができるでしょう。
噴火をしなくとも、「ゴーっ」という飛行機が遠くを飛ぶような大きな音(鳴動)が聞こえてくるかもしれません。
また、静かに水蒸気や噴煙を出しているかもしれません。
見るたびに異なる活動の姿を見ることができるでしょう。
おすすめの観察場所は、黒神ビュースポット。
噴火口を眺めながら、今生きている地球の鼓動を感じてください。
御嶽登山口
2012/07/03
現在、桜島登山はできません。
理由は簡単で、噴火して危険だからです。
南岳・昭和の両火口から2km以内は立入禁止区域となっていて、桜島の山頂・北岳(御岳(おんたけ))の1,117mもその範囲内。
一般の観光客が入ることのできる最高地点は、北岳の4合目・湯之平展望所の373mです。
とはいえ、登山ができた時期もありました。
明治期の地図を見ると、今はなき登山道がたくさん描かれており、山頂へと通じています。
また、「小学校の遠足で桜島に登った」とか、「昔はここに道があって...」などとお話してくれる年配の方もたくさんおられます。
1955年、それまで平穏だった桜島南岳が突然爆発し、登山客に死傷者が出たことから入山規制が始まりました。
登山の歴史を今に伝える―
桜島武町には、「御嶽登山口」の文字が深く刻まれた石碑があります。
T字路の角、ミラーの下にひっそりとたたずむ石碑は、桜島登山を今に伝える貴重な遺産です。
この場所からはすぐに上り坂が始まります。
集落を越え、農地を越え...と進むと、途中で道がわからなくなりますが、昔は山頂まで通じていたのでしょう。
規制以前は、ここからたくさんの人々が山頂を目指しました。
昭和のはじめごろ、このあたりに桜島と鹿児島とを結ぶ村営船(現在の桜島フェリー)の港があった時期もあり、休日は大にぎわいだったそうです。
今は住宅地の一角となり、この場所を訪れる観光客はほとんどいません。
石碑は、当時のにぎやかな日々を覚えているのでしょうか?
【アクセス】バス停「武登山口」よりすぐ。
【地図】
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Ontaketozanguchi
"Climbing Sakurajima"
At present, it is not possible to climb Sakurajima due to risk of eruptions.
Anywhere within 2km of the South Peak and Showa craters is considered off-limits.
The North Peak (Ontake) of Sakurajima is also a part of this off-limits area.
Yunohira Observatory, located at the 4th station of the North Peak, is the highest point open to the public, elevated at a height of 373m above sea level.
However, there was once a time when people could climb Sakurajima.
Many trails going up the mountain are illustrated on maps drawn in the Meiji era.
Further, many elderly people can say, "I climbed Sakurajima as part of an elementary school excursion" or "there used be a road here...".
In 1955 the South Peak of Sakurajima, which had been quiet up until that point, suddenly erupted, killing hikers.
Since then, climbing the volcano has been restricted.
"Passing down the history of mountain climbing"
There is a stone monument engraved with the words "Ontake trail entrance" in Take-cho , Sakurajima.
This stone monument which stands under a road mirror at a T-junction is a valuable piece of heritage that conveys the history of mountain climbing ofin Sakurajima.
From here you can begin ascending the volcano. Although the trail disappears after passing villages and farms, it once went up to the summit.
Many people tried to climb up to the summit from here before the restriction began.
It was quite lively on weekends at the beginning of the Showa era as there was a village port (currently the Sakurajima Ferry Port) that connected Sakurajima and Kagoshima in the area.
Now this place is a part of a residential area that only few tourists visit.
Perhaps though, the stone monument still remembers the lively days from back then.
桜島お役立ちリンク集
2015/08/22
桜島お役立ちリンク集を作ってみました。
- 桜島の爆発回数(気象庁)
- 桜島上空の風向き(気象庁)
- 噴火情報(気象庁)
- 桜島の火山観測データ(気象庁)
- 火山登山者向けの情報提供ページ(気象庁)
- 火山活動解説資料(気象庁)
定期的または必要に応じて臨時に解説する資料です。
- 噴火情報(NHK)
- 桜島の地震波形画像(防災科学技術研究所)
- 桜島(Wikipedia)
- 桜島の概要(気象庁)
- 桜島町郷土誌(鹿児島市)
- 桜島大正噴火100周年記念誌(桜島大正噴火100周年事業実行委員会)
防災意識の高揚を図るために発刊したもの。
(桜島大正噴火100周年事業実行委員会)
- 鹿児島県立博物館所蔵「桜島大正噴火写真」一覧
- 錦江湾インフォメーション
- 火山活動研究センター 桜島火山観測所 (国立大学法人 京都大学 防災研究所)
桜島!まるごと絵本
2014/04/18
『桜島!まるごと絵本』(著:NPO法人桜島ミュージアム、さめしまことえ,出版社:燦燦舎)
が発売となりました!
桜島を説明する本はあっても、お子さんやご家族で楽しめるものが少ない。。
...ということで、たくさんの絵と、読みやすい文章で桜島を紹介しています。
第1章は「ぼくと桜島」
なぜこんなに灰が降る桜島に住んでいるのだろう?
桜島在住のたけしくんが、おじいちゃんと一緒に桜島の歴史と恵みを探します。
絵本になっていますので、小さなお子さんも一緒に読むことができます。
第2章は「火山博士が教える! まるわかり!桜島」
火山博士とたけしくん達が会話をしながら、桜島とはどんな火山なのかを読み解きます。
大人の皆さんにも「なるほど」と思っていただける内容です!
桜島ビジターセンターや、鹿児島市内をはじめとする県内各書店でお求めいただけます。
鹿児島の方はもちろん、火山国日本に暮らす皆さんにご覧いただきたい一冊です!
『桜島!まるごと絵本 ~知りたい!桜島・錦江湾ジオパーク~』
定 価 : 本体1,400円+税
著 者 : NPO法人桜島ミュージアム、さめしまことえ
出 版 : 燦燦舎
販売場所: 鹿児島県内各書店、桜島ビジターセンターなど
01 黒神ビュースポット(昭和溶岩地帯展望台)
2015/06/03
昭和火口の迫力に驚き
神奈川から桜島へ来て数年が経った。生活には慣れてきたが、毎日が驚きの連続であった。
島内あちこちへ行くたびに、桜島の魅力と奥深さをいつも感じる。
本連載では、ヨソモノの目を通して、一緒に桜島を再発見していただければと思う。
お付き合いよろしくお願いします。
本日紹介するのは、ボクがもっとも好きな場所のひとつだ。
注意しなければ通り過ぎてしまいそうなくらい控えめな展望台は、昭和火口を望む一番のスポットだろう。
ここからの爆発は見飽きることがない。
火口から噴煙が上がると同時に、噴石が勢いよく飛び出す。
地面に落ちた噴石は、積もっていた火山灰をまきあげながら火口周辺を白く染める。
噴煙はどんどん高度を上げる。
数秒遅れて爆発音が届く。体の芯を揺さぶる音だ。
圧倒的な自然の力を前に、湧き出す高揚感と恐怖心。上昇する心拍数。
...と、ベタではあるが、県外出身者はやはり噴火に驚かずにはいられない。
噴火を繰り返す桜島の日常は、ここにしかない風景だ。(2015年の爆発的噴火は、5/31時点で600回を超えた。たぶんご飯を食べた回数より多い。なんという日常っぷり)。
あたりは1946年の昭和噴火で流出した昭和溶岩原で、「地獄河原」とも呼ばれている。
展望台の下は退避壕、砂防施設である黒神川は歩いてすぐ。
火山・桜島の魅力がぎゅーっと詰まった、実はぜいたくな展望台だ。
NPO法人桜島ミュージアム 大村瑛
『南日本新聞』 2012年6月5日「桜島ルーキー日記(昭和溶岩地帯展望台)」 ※筆者本人により一部加筆修正