【解説】なんで3km圏外も避難地域になってるの?と思ったアナタへ
2015/08/17
なんで塩屋ヶ元が避難地域?と思っているアナタへ(^^)
塩屋ヶ元地区は火口から3km以上離れているのに避難勧告が出ています。3kmって言ってるのに、なんで?と思いませんでしたか?
噴石は、地形に関係なく飛んできますので、火口からの距離で考えれば良いです。
しかし、火砕流は、地形の影響を受けて低い方へ向かって流れて行きますので、単純に火口からの距離だけでは判断できません。火砕流のシミュレーション結果が公表されていれば良いのですが、なさそうなので、簡単な火砕流の予想経路を書いてみました。大きめの火砕流が発生した場合、3kmを越えて塩屋ヶ元まで到達することは十分に考えられます。
大きめの火砕流があった場合を想定して、塩屋ヶ元を避難対象地域としたようです。
※シミュレーション結果があれば一番いいんですけどね(^_^;)
<文責:桜島ミュージアム 理事長 福島大輔>
For foreign tourists who are planning to come to Sakurajima (2015/8/16)
2015/08/16
Tourist facilities are closed since the eruption alert of Sakurajima has raised up to level 4.
Tourist facilities that are closed
- Arimura Lava Observatory
- Yunohira Observatory
- Sakurajima Island View Bus (Sightseeing Bus)
- Sakurajima Regular Sightseeing Bus (Sakurajima Nature Sightseeing Course)
- Rainbow Beach
- Saido Beach
- Parking area in front of Kurokami Buried Shrine Gate
*It will be reopened when the safety is confirmed.
The ferries below are cancelled on Sun. Aug. 16.
- Yorimichi Cruise (depart at 11:05 from Kagoshima Port)
- Sakurajima Summer Night Cruise 2015(depart at 7:00 PM)
*Regular ferries are available.
*We will inform later about the services after Mon. 17. Aug.
(2015/8/16,13:10)
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There is a possibility that Sakurajima will have larger scale eruption than usual.
Residents who live within 3 km from the crater have evacuated and the tourist facilities such as Yunohira Observatory, Arimura Lava Observatory, Kurokami Buried Shrine Gate, and Sakurajima Island View Bus are unavailable.
We cannot recommend you to do sightseeing in Sakurajima under current situation, however the facilities near Sakurajima Port which is 6 km away from crater (such as Sakurajima Visitor Center and Rest Stop) are still open.
For more information, please check the website of Kagoshima City that the link below.
【観光規制】現在観光できない場所
2015/08/16
8月16日午前6時半現在、観光施設で休館・閉鎖となっているのは、有村溶岩展望所、湯之平展望所、レインボービーチ、西道海水浴場、黒神埋没鳥居前駐車場です。また、桜島フェリーの「よりみちクルーズ船」と「観光納涼船」、鹿児島市交通局の桜島定期観光バスと、観光周遊バス「サクラジマアイランドビュー」も運休します。
レインボービーチ、西道海水浴場は、火口から5km以上離れているので、「ちょっと大げさでは?」と思ってしまいますが、陸上ではなく、海の中で遊んでいた場合、万が一の事態が発生した時に迅速な対応が取りにくいので、閉鎖となっているのだと思います。
現在、火口から3km以内が警戒をすべき地域になっています。
桜島の火山活動についてはこちらをご覧ください。
今日現在(2015年8月16日)、桜島の観光はお勧めできませんが、現在の桜島の状況を正しく理解した上で、桜島を観光することはできます。
【解説】もっと詳しく桜島の状況を知りたい方へ
2015/08/15
もっと詳しく桜島の状況を知りたい方へ(^^)
「火口から3km以上は100%安全です」と思われたら困るな。。。という反省も込めて、桜島の状況をちょっと詳しく書きます。
今日の7:30頃から急激に膨張しはじめた桜島は、9:00頃にさらに急速に膨張しつづけ、10:30くらいから更に勢いを増し、これまでにないスピードで膨張していきました。また、有感地震が10:50くらいから14:50くらいまでの間に5回ほど発生しています。
この膨張のスピードと膨張量は、1985年からはじまった地盤変動(傾斜計・伸縮計)の観測の中で最大だそうです。また、有感地震が数回おこったり、火山性地震(A型地震)が群発したのも大変珍しく、これまでにない現象が続いています。
1955~1985年の間にも桜島は噴火していますが、この時期には地盤変動(傾斜計・伸縮計)の観測がされていないので、過去の実績と比べることが出来ません。どうなるか正直なところ「分からない」のです。
ただ、地盤変動からマグマの量を推定すると、最近の昭和火口の噴出量の1~2ヵ月分のマグマが蓄積されているようです。もし一気に噴出すれば、過去60年間に起こった桜島のどの噴火よりも大きい噴火をするかもしれません。ひょっとしたら、いつもと同じくらいか、ちょっと大きいくらいかもしれません(2012年7月24日とか2013年8月18日の噴火くらい)。
良く分からない(予測できない)ですが、過去60年間に起こった桜島のどの噴火よりも大きい噴火をするかもしれないと仮定して警戒すべき状況です。(ただし、現在の地盤変動からは大正噴火クラスの大噴火は想定しなくて良さそうですが、急激に状況が変化することはあり得ます。)
気象庁は「火口から3km以内を警戒」としていますが、噴火の規模を正確に予測することは大変難しいので、「火口から3km以上は100%安全です」とは言い切れないと思います。
とはいえ、これまでの地盤変動から推定される噴火の規模は、噴火口から3km以内に噴石と火砕流が到達する程度と考えられています。この範囲にある地域(有村、古里、塩屋ヶ元)の住民は全て避難が完了していますし、桜島の多くの地域は火口から4km以上離れています(3~4kmにあるのは東桜島、持木の2地域)。
桜島港や桜島ビジターセンターは火口から約6km離れています。
今(8月15日現在)、観光に来ることはお勧めできませんが、この状況を理解した上で納得して頂ければ、桜島に来ることは可能です(^^)
桜島フェリーは通常通り運航中ですし、桜島ビジターセンターも明日は開館予定です(^^)
一つの情報として参考にして頂ければ幸いです。
【おまけ】
ちなみに、現在(8月15日21:30頃)地盤変動の急激な膨張は落ち着きはじめ(それでも、いつもよりずっと早いスピードで膨張を続けていますが・・・)、地震も少なくなっています。でも、これで噴火しなくなったわけではありません。むしろマグマの通り道が完成して、噴火するためにマグマが上昇し始めたことを意味しているかもしれません。
引き続き警戒してください(^^)
桜島の情報はこちらにもあります。
<文責:桜島ミュージアム 理事長 福島大輔>
【解説】桜島はこれからどうなるの?と思っているあなたへ
2015/08/15
桜島はこれからどうなるの?と思っているあなたへ。
みなさん大正噴火クラスの大噴火が起こるんじゃないかって心配していると思いますが、それはなさそうです(^^)
気象庁の情報を見ると「3km以内は警戒するように」となっています。もし大噴火なら3kmとか言ってる場合じゃないですよね。
大噴火の場合は5~6kmは軽く被害が及びますので。
とはいえ、レベルが4に引き上げられたということは、いつもとちょっと違うわけです。
どうやらマグマが急激に上昇しているようで、これまで観測した中で一番大きな地殻変動のようです。有感地震も起こっていて、これまでになかった現象が続いています。
つまり、1955年から続いている噴火の中では最大規模の噴火が起こるかもしれないということです。1955年から現在までに経験したことのある一番大きな噴火か、それよりちょっと大きめかもしれません。
最大規模というと、とんでもないことが起こるような気がして怖いかも知れませんが、変動量から考えると、溶岩が流れて2つの集落が埋もれた昭和噴火(1946年)よりも規模は小さいようです。
1955年から現在までに経験したことのある噴火で大きいものは、いわゆる「ドカ灰」だったり、古里のホテルに噴石が落ちて穴があいたりした噴火です。
つまり、いつもよりちょっと大きめの噴火がおきて、噴石や火砕流が火口から3kmくらいまでは届くかもしれないので注意してくださいってことです。
どうしても心配な人は火口から4km以上離れておけば大丈夫だと思います。
火口からの距離を記した地図を添付しますので、参考にされてください。
また状況が変わったっり、新しいことが分かったら、お知らせしますね(^^)
<文責: 桜島ミュージアム理事長 福島大輔>